なまこと学ぶ「ノーベル賞2017」
ノーベル賞が発表されましたね。
読んだ人がどんな業績だったかを把握できて、どや顔で語れるようになればいいな。
ドヤれるポイントを太字にしておいたので、それだけ読んどけばいいかもしれません。
記載に間違いがあればご指摘宜しくです。
1.ノーベル賞について
そもそもノーベル賞とは?
ダイナマイトを発明し、それによって巨万の富を築いた「アルフレッド・ノーベル」の遺言によって設立された、「人類に科学的に貢献した人」に与えられる賞のことです。賞金も遺産から出てます。
晩年、人殺しの道具としてダイナマイトが使われるようになり、ダイナマイトが抑止力として機能しなかったことを悔いたからだ、言われています。
よく「戦争の道具としての使用想定してなかった」といわれますが、実際は今でいう「核爆弾」のような抑止力的効果を想定していた、ということみたいです。
ノーベル賞の種類
- 医学・生理学賞
- 物理学賞
- 化学賞
- 文学賞
- 平和賞
- 経済学賞
の六つの種類があり、基本的には一つの賞は三人まで与えられますが、文学のみひとりだけに授与され、平和は団体にも授与されます。
因みに同時受賞した場合賞金は山分けじゃなくて貢献度順だそうです。世知辛い。
経済学賞、実は「ノーベル記念スウェーデン王立銀行経済学賞」だそうで、厳密にはノーベルの遺言で作られたものではありません。(まあ、選考団体が一緒なので通常はノーベル賞と扱われることが多いみたいですが…)
あと、平和賞以外はスウェーデンが選ぶんですが、平和賞だけはノルウェーが選んでるんですね。ほえー。
2.今年のノーベル賞
- 医学・生理学賞
サーカディアンリズムの原因特定による受賞。
サーカディアンリズムとは、「一日が約二十四時間であり、それに合わせた生活を自然と送る」リズムのこと。まあ、いわゆる体内時計ですね。
この体内時計の仕組みを、ショウジョウバエの遺伝子から発見し、その後高等生物(人間も含む)に共通であることがわかったから。
こういうのだいたいショウジョウバエのイメージある。 - 物理学賞
重力波の観測による受賞。
重力波とは、ブラックホールとか大きな星、つまり天体が光速に近い速度で動くときに生じる時間的・空間的ひずみのことらしい(よくわかってない)。
一行で例えるのは無理なので各自。
相対性理論のアインシュタインが予言していたが、観測は初めて。
今までは天体を「電磁波を見る」ことで捉えていたため「電磁波を吸い込む」ブラックホールは観測できなかった。しかし、重力波を手がかりにすることでブラックホールなどの天体も観測できるようになる、かも知れない。 - 化学賞
クライオ電子顕微鏡法の確立による受賞。
今までの電子顕微鏡だと、「水中ではない(真空)」「光を当てると観測対象が壊れるためノイズが多い」などの問題点がありました。
しかし、「急速冷凍」し、「平面写真からの立体的再構成」することで解決に至ったのが「クライオ電子顕微鏡法」。
あくまでも方法であってそういう名前の顕微鏡を作ったわけではないよ。
要は、酵素とかって水中じゃないと働かないのに、今までのだと真空じゃないと観測できない…→じゃあ水中で凍らせればいいじゃん!
ってのと、色んな角度から取った写真から考えられる姿ってこうでしょ、というたくさんのデータから姿を確定させる。この二点がいいところなのかな。 - 文学賞
イギリス人作家カズオ・イシグロさんが受賞。
"who, in novels of great emotional force, has uncovered the abyss beneath our illusory sense of connection with the world"
(彼は感情を強く揺さぶるような作品によって、世界と我々のつながりの底にある深淵を暴き出した なまこ意訳)
こんな感じの受賞理由。長崎出身なこともあり、日本では一番大きく報道されてますね。だからカズオって名が先なのか。
「わたしを離さないで」が一番のヒット作かな。東大入試に出たことでも有名かもね。 - 平和賞
核兵器廃絶国際運動(ICAN)が受賞。
「運動」と訳しましたが、国際NGOなので団体名です。核兵器の非合法化とその廃絶が主な目的で、広島・長崎の被爆者の声などをネットなどを使ったりして伝えてるとか。
受賞理由としては「核兵器禁止条約」の成立に力を貸した、世界の核兵器禁止の草分け的存在であった、などの理由だとか。
因みに日本は「核兵器禁止条約」に参加してません。 - 経済学賞
行動経済学の発展に寄与したことによる受賞。
行動経済学とは、「心理学」と「経済学」を融合したもの。
今まで経済学は、「消費者は購入物に対してすべての情報を得ており、その上で合理的判断を下すものである」という前提で行われていた学問だったようです。ベイズの定理とかの話なんですけど、FFが書いてるんでリンク貼っときます。
ところが実際には、というかそこに心理学的観点を持ち込み、「限られた合理的判断」と「本人の好みによる」消費があり得るよね、っていうのが行動経済学。
例えば「損しているとき賭けに出たくなる」という心理学で言うプロスペクト理論を経済に応用する、といったことみたいです。
3.雑感
行動経済学、そんなこともわかってなかったのか?と思ったんですけど、「心理も入れると変数がとんでもなく膨大になるからとりあえず切り捨てよう」といった立場でなるほどなあ、と。
あとノーベルさんがもともと戦争への優位性を考慮した上でダイナマイト開発したのは知らなかったので純粋にびっくり。
村上春樹さんはまた取れませんでしたね。それでは。