なまこと学ぶ『EU概観』
ニュースで聞いたことあるけどこれってなんだろう…
という時事ネタを現役大学生がまとめます。
みなさんがこれ読んでドヤ顔で語れるようになればいいなあ。
最初なのでそこまで気張りません。
1.EUとは
そもそも。EUってなんでしょう?
Europa Union(欧州連合)の略称ですね。
遡ったりしてみると設立の流れはとんでもなく複雑だったのでポイントだけ。
第2次大戦でヨーロッパがぐちゃぐちゃだ…
- 再建のためにはヨーロッパで協力しよう!(英政治家・ウィンストン・チャーチルの演説など)→欧州評議会の設立
- シューマン宣言(ヨーロッパをまとめ、戦争のきっかけすらなくしてしまおう)
- ↑の宣言を受けて、具体的に石炭・鉄鋼という兵器に必要な産業をヨーロッパで統一しましょう!→欧州石炭鉄鋼共同体の設立
みたいな感じで「欧州」でいろんな物事を共有する流れが生まれました。
その流れを受けて生まれたものが欧州連合。
つまり、EUとは、
「ヨーロッパの国々が、お互い戦争をせず、かつ発展するためにある、国より上位な存在」
っぽいです。
その他のポイント
- EU内の行き来はモノ・ヒトの移動が自由。
- EUだけど通貨はユーロじゃないところもある
- 加盟国は現在28カ国
- イギリスが最近抜けることを決めた
- ギリシャが迷惑かけた
2.なまこのざっくりとしたイメージ
全体的に右傾化というか、独立志向を感じます。
大きなところで言えば「英国のEU離脱」。
他にも極右政党の勢力拡大などが挙げられるでしょう。
これを書いている現在では、スペイン・カタルーニャ独立運動がホットな話題ですね。
「ヨーロッパ全体よりも、我が国、私の生活こそが大事であり、それを考えたとき、EU加盟はマイナスなのではないか???」という意識が強まっているような気がします。
3.主要国の主なホットニュース
話題になることが多い「ドイツ」「フランス」「スペイン」「イギリス」について。
それぞれ2つずつニュースをまとめました。
ドイツ🇩🇪
最近選挙があり、メルケルさんは4回目の当選を果たしました。
いま中東は、「民主化」「独裁者」など様々な勢力がごちゃまぜにバトルロイヤル内戦してるので、めちゃくちゃ危険。その内戦から逃れてきた難民の受け入れで揉めてます。
家族ごと来て、税金で生活を保護されて、治安も悪くなって、言葉も通じない難民は、生活の苦しい労働者の国民のストレスでしかありません。
EUを挙げて難民保護の指揮を執ってるメルケルさんへの反発も増加してます。
イスラム教徒排斥を望む極右政党が三番目に強くなるなど、ちょっと怪しい状況ですね。
フランス🇨🇵
- 相次ぐテロ。
- ルペンに勝ったマクロン
フランスと言えばテロ。この前もガソリンスタンドで爆発装置が~みたいなニュースがありましたし、2015年パリ同時多発テロなんかは大ニュースでした。
なぜフランスはテロが多いのか。
おそらく以上が主要な理由でしょう。個人的には、イスラムへの風刺画も原因の一つだと思いますが。
あとは政治ですね。フランスといえばルペン。「極右でもっとも最高指導者に近い」のがルペンさんで、前回の選挙で惜しくも敗れました。
因みに、ルペン(父)がいて、その人が過激で有名になり、その後を継いだのがルペン(娘)です。過激さをなくしたソフト路線ですが、それでも「EU離脱」「フランスファースト」などを掲げ、今ではフランスの政党では最も強い、と言っても過言ではない勢力となっています。
さて、「政党では」と言いましたが、政党じゃない人がいま最高指導者なんです。
そのルペンさんに勝ったマクロンさんというのが、「無所属」「中道」「親EU」というザ・バランス政治家。なのですが、この人がどっちつかずだったりスキャンダルが多かったりで政治的不信感が高まってますねえ。
スペイン🇪🇸
カタルーニャ独立、ホットな話題です。
まてまて、そもそもカタルーニャって何があるんだ?
世界遺産、「絶対に完成しない建物」こと
があり、他にも観光資源がたくさん。観光業が有名です。
そして忘れちゃいけないサッカーチーム。
この超強豪チームを有している地域、それがカタルーニャ。
ところがです。
カタルーニャ、実はスペインに多く住む人たちとは民族・言葉が違います。そしてその人たちからは軽んじられるような発言が昔からあり、溝がありました。
その上、観光業などで儲けたお金が国にたくさん持っていかれ(ほかの州と負担額がかなり異なるようで)、かつそのリターンも少ない。
そういったことから不満が爆発しているようです。
つまり、
- もともと独立機運があった
- 税と交付が釣り合わない
おそらく、この二点が焦点なんでしょう。その他、言語政策がいろいろ問題があるのでこれに関してはやるかもしれません。
あとは失業率が高い。特に若者の失業率は約50%ってやばくないですか。
家族で助け合ったり貯金が多かったりでまだ何とかなってるらしいですけど。
イギリス🇬🇧
いま、メイ首相まわりは荒れています。
ここ一年ほど前に当選し、英国二番目の女性首相だったりと人気の高い政治家だったんですけど。
野党のみならず、メイ首相の属する与党も、辞任を迫るような動きをしています。
というのも、「EU離脱」に関して何も進んでいないこと、そして首相のリーダーシップ(演説などでの失敗が多い)などがあります。
とはいえ、応援する動きもあります。そのため、まだ何とも言えませんけど…。
ただ、もう一回首相選ぶ手続きすべきだ、という声が与党からも出ているので、もしかすると近日中に動きがあるかも。
あと、
イギリス、EU離脱!!!
というニュースばかりが報じられましたが、まだ抜けてません。
緩やかに離脱に向けての協議をする段階(貿易協定どうするかとか)で、それがなかなか進まないからこそ批判が大きいわけですね。
ところで、ブレグジットってよく聞くけど何?
って疑問がある人もいるのでは?
これ、Britain(イギリスの事)+exit(退出する、抜ける)を合わせた造語。
つまり、「イギリスのEU離脱」を一言で表す言葉なわけです。
4.EUの問題点?
EU離脱とか右傾化とか言ってるけど、なんでみんなそんな不満なの?
いいことばっかじゃないの???
僕は、「格差拡大」と「生活への不安」の二点がポイントだと思います。
まず、富裕層と労働者層の体感の違いです。
例えばドイツでは、約10パーセントの富裕層(エリート層)はEUの利点を理解し、その恩恵も受けられている。
ところが労働者層には恩恵がないように映る。それはなぜか。
EU内ではヒト・モノ・カネの移動がかなりスムーズに行えます。
ということはですね、「経済的に貧しい国」から「経済的に豊かな国」に出稼ぎに行く。その人たちは比較的安く雇える。ということは、もともとの国の人は職を失ったりするわけです。
関税もない。酪農で考えてみましょう。
自国で牛乳を作っている。でも、他国の牛乳は効率的・大量に作られていて安い。でも関税がかかってないのであっちの方が安く買える。
となれば自国の産業は衰退していくほかない。
とすると当然職はどんどん厳しくなってくるわけです。 特に労働者の方なんかはそれがダイレクトに伝わってくる。
おそらくそれが難民問題で一気に加速・爆発したんじゃないかなあ、と思います。
加えていえば、「EU維持のために損をしている」という感覚もあるでしょう。EUのために負担金(日本で言う国連に支出しているお金みたいなもの)を出し、難民保護のためにもお金を出し、それは自分たちが負担している。
にもかかわらず生活はよくならない。いや、厳しくなってきている。
なんでわれわれがさらに負担しなくちゃいけないんだ?
そんなことよりまずは俺らの生活を守ってくれよ、よくしてくれよ。
こんな意識が、おそらくEU内で強くなってきてるんじゃないかなー、と思います。
まとめ
- EUはヨーロッパの平和・発展のためにある
- 最近はEU内で「このままEUに属していた方が損なんじゃないか?」という意識が
- それを反映するように右傾化、現リーダーへの反発が
長くなってしまったし、なんだかあんまりわかりやすくない気がします。
次回はもっと短く、わかりやすくなるよう意識します。
因みに、お題も募集中なので、「ここがわからなかった」「こんなこと解説してほしい」とか教えてくれると嬉しいですよ。