なまこ旅行記。

旅行記と生息記。

なまこ旅行記

無印良品というあるブランド。

これを読んでいる人の中で、

 

無印良品

 

を知らない人はまずいないだろう。

最近では「MUJI」といった方が通りがいいかもしれない。

プライベートブランドの話。

 

無印良品、と言われて思いつくのは

 

ロハス

ケルティック

ナチュラ

アロマ

シンプル

オシャレ

ハイセンス

 

大方、こういったイメージであろう。

 

無印良品の作る世界は、一言で表せば

「洗練されており、とても心地が良い。」

このようになるのではないか。

 

 

無印良品の歴史を振り返ってみよう。

 

これを書くことになってはじめて知ったのだが、無印良品こと「良品計画」という会社は、もとを辿れば西友、つまり西武グループに行き着くらしい。

 

今ではごくごく当たり前になった、

プライベートブランド*1

つまり、量販店が独自に作った「ノーブランド」の商品を作る部門が元となっており、それが人気を博し独立したものが今現在、我々の知る「良品計画」となるわけだ。

無印、とはノーブランドをそのまま訳したものである。

 

ところで、ブランドの価値とはなんだろう?

 

かつて、僕の友人である北極さん(仮名)とそれについて2時間ほど話したことがある。

 

簡潔にまとめれば、

 

エルメスのバッグ(だったと思う)にはなんやお洒落さを感じない。

・なんならダサさまで感じる。少なくとも、あんなバッグや財布には高いお金を出す価値は感じられない。

・しかし現実問題として、偽物すら高額で買われる程に、「ブランドイメージ」とやらは大きい。

・それを身につけることによる「自分の価値を高める」効果があるのでは。

 

といったような主張を僕はしていた筈だ。

(まあ、そもそも北極さんはエルメスはお洒落に感じるというところから違っていたけれど…)

 

そもそも、

ブランド”とは「差別化のため」

にあるものである。

 

例えば、果物に「無農薬で作る美味しいなまこのリンゴ」というシールを貼る。

 

そして、実際に美味しいりんごを作り、メディアで取り上げられたり、広告を打ったりすることで「なるほどなまこの作るりんごはどうも美味しいらしい」ということが周知される。品質が保証されているからだ。

 

すると、消費者はりんごコーナーの前でシールを見ただけで「あ、なまこのりんごだ。美味しいから買おう」となる。

 

つまるところ、企業が築き上げた、あるいは勝手に築き上げられた、ある「イメージ」(大概の場合信頼や高品質を意味する)を表す見えない"なにか"が「ブランド」である。

往々にして「ブランドロゴ」が存在し、判断がつきやすくなる。

 

だからこそよくわからないのが、北極さんと話すことになった、ファッションやアクセサリーといったその主な差異化を製法や品質ではなく、デザインでするブランドである。これに関して持論を書き始めると終わらなくなるので割愛する。

 

 大抵の場合、企業はそのブランドを「よりよく成長させよう」と意識する。

なぜならば、先程説明したように、「いいブランドイメージは購入につながる」からだ。

そしてまた、高価にしても「このブランドの出すものならば買おう」となるならば、その企業の利潤になるからである。

 

逆に失敗する例だってある。

最近で言えば、ベッキー

「清純」「いい子」という、

長年築いてきたイメージが、

あるバンドマンとの不倫で崩壊し、

ベッキーブランド」は地に落ちた。

今では別のブランディングが成功しているようで何よりだ(ベッキー好きなので)。

 

少し昔でいいならば、雪印赤福の消費期限偽装問題などがあがる。

問題が露出すれば、「ああいうとこのだから信頼できない、買わない」みたいなことが起こる。

まあ、大きなところだとイメージが強固だったため回復し、今ではごく普通に販売できているみたいだけど。

 

 話は戻って、プライベートブランド

プライベートブランドの一番の売りは、突き詰めていけば「品質」ではなく「安さ」であるはずだ。

 

だからか、

プライベートブランドの酒は美味しくない。

プライベートブランドの洗剤、イマイチ。

 

こんな意見を聞いたことがあったり、なんなら持っている方もいるだろう。

僕も部分的にはその一人だ。プラセボ効果かもしれないが。

プライベートブランドは、往々にしてそこまでいいイメージはない。(いや、もしかすると品質も良くないのかもしれないけど)

 

だけれども、無印良品は違う。

プライベートブランドという出発点でありながら、

「無印(ノーブランド)」という「ブランド」を確立するに至った。

 

それには、多角化運営(カフェ、キャンプなどのアウトドアにも)をしたり、旧セゾングループとの連携・その後はファミマ系列との連携をしたり、有名デザイナー(プロフィール見る限りでは大物揃い)の大量起用、西武グループの後ろ盾など、様々な要因がある。

 

そして、価格も徐々に高騰している傾向にあると個人的には思える。

今までは「わけあって安い」*2筈だった無印良品は、そのブランド力のために低価格帯から、中価格帯にクラスチェンジしている気がする。

 

少なくとも、「安くはないけど、無印だしオシャレだから買うか」くらいの認識が我々の中ではあるはずだ。

 

-最後に-

始めはブランドに対抗して「安くていいもの」を作ってたのに、いつの間にか「高いけどいいもの」というブランドに変貌してるのってなんかちょっと不思議な感じしますよね。

 

なんだか批判的な文脈になってしまった気がしますが、僕は無印良品というブランドが大好きです。 いつか無印の家に住みたいです。

*1:プライベートブランド」がイメージしにくい人は、コンビニのスナック菓子コーナーをイメージしてほしい。カルビーコイケヤなどのポテトチップスが売られている中に、コンビニマークの付いたポテトチップスが並んでいるはずだ。価格を見ると、他のものよりも若干安い、あるいは多いことがわかるだろう。このように、「広告」「販売経路」「仕入れの手間」などを省く代わりに、安さを追求している、と理解しておけばいい。

*2:1980年台頃のキャッチコピー